不穏

コンクールが終わり夏休みも終わりかけになる頃、部活は秋に開催する定期演奏会と冬に行われる大会、アンサンブルコンテストの練習に入った。

 

定期演奏会は毎年秋に市内ホールで行われていて、演奏発表会のようなものだ。友達や家族など、いろんな人が聴きにくるが、私の母が来たのは1度だけだったし、いつのときの演奏会に来たのか覚えていないくらい印象にない。

定期演奏会はクラシック曲だけでなく、今流行りのポップス曲や懐かしの曲など、いろんな曲を演奏するので、練習量も倍になる。それプラス、明るい曲では振り付けもあったりして、踊りながら吹くのでかなり体力を使う。

 

アンサンブルコンテストはコンクールと同じで全国大会まであるが、アンサンブルなので楽器ごとにカルテットなどを組んで出場する大会だ。

毎年冬〜春にかけて大会があり、地区大会、県大会、エリア大会、全国大会の順に上がっていく。

3年生が出ることも稀にあるが、基本的には受験シーズンと被るので、出場するのはほぼ1〜2年生のみ。

 

私ももちろん出場した。サックスのカルテットで、私はアルトサックスを担当。同学年のみさはテナーサックス、2年生の先輩たちはソプラノとバリトンサックスをそれぞれ担当した。

 

定期演奏会にアンサンブルコンテストに、まさに部活漬けの毎日だった。

 

 

 

 

夏休みが明けてからは、授業と部活の日々が続き、家にいる時間よりも、学校にいる時間の方が長かった。

 

この頃、姉はすでに高校を卒業して、東京へと上京。兄はまだ大学生だったが、相変わらずサークル活動やバイト、友達と遊んだりなどであまり家にはいなかった。

 

母に関しては、長らく付き合っていた男と別れてからしばらくは男の陰はなかったものの、それも少しの間だけで、気付けばまた新たに男が出来ていた。